かど

かど
I
かど【下土】
〔「かと」とも〕
下界。 大地。
上天
II
かど【廉】
理由として取り上げる事柄。 箇条(カジヨウ)。 ふし。 点。

「謀叛(ムホン)の~で捕らえられる」「余程気遣ふ可き~あるに相違なし/鉄仮面(涙香)」

III
かど【才】
気の利いた点。 才能。 才気。

「今めかしくかい弾いたる爪音, ~なきにはあらねど/源氏(帚木)」

IV
かど【火度】
陶磁器などを焼く窯(カマ)の温度。
V
かど【角】
(1)二つの線や面が出合って生じるとがった部分。 (ア)物の端の外側に突き出した部分。

「柱の~」(イ)物の隅。 (ウ)道の折れ曲がっている所。 まがりかど。 「~の店」

(2)円満でなくとげとげしい性質。 圭角(ケイカク)。

「~のある言い方」

(3)刀剣の, 峰の厚くなっている部分。 しのぎ。 または, 切っ先。
(4)目に立つ所。 見るべき点。

「面白き~を少な少なと見せて/花鏡」

~が立・つ
人との間柄が穏やかでなくなる。 事が荒立つ。

「物も言い様で~・つ」

~が取・れる
性質にとげとげしたところがなくなって穏やかになる。

「苦労したせいか~・れてきた」

~を入・れる
(1)とげとげしくする。

「言葉に~・れ/浮世草子・男色大鑑 8」

(2)「隅(スミ)を入れる」に同じ。

「十五歳にして…角をも入れて/浮世草子・一代男2」

~を立・てる
物事を荒立てる。 角立てる。
VI
かど【過度】
適切な程度を超えていること。 度を過ごすこと。 また, そのさま。

「~の運動」「~に緊張する」

VII
かど【門】
(1)家の出入り口。 もん。 また, その前。

「~を出る」

(2)屋敷。 いえ。

「笑う~には福来たる」

(3)家族。 一門。 一族。

「みな~わかちたまへりけり/大鏡(藤氏物語)」

~打(ウ)・つ
(近世, 江戸などで犯人の逃亡などを防ぐため)木戸・門をとじる。
~た・つ
門の扉をしめる。

「~・てて戸は閉(サ)したれど盗人の/万葉 3118」

~に立(タ)・つ
(物乞いなどのために)門口に立つ。
~広・し
一門が繁盛している。

「その後なむ~・くもなり侍る/竹取」

~を出(イ)・ず
(1)家を出る。
(2)出家して僧や尼となる。
~を広・ぐ
子孫を増やし, 一族を栄えさせる。

「この門ひろげさせ給ひて, 侍らずなりなむ後にも/源氏(薄雲)」

VIII
かど【鰊】
(主に東北地方で)ニシンの異名。

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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